ヨズクハデ 銀山見守る「フクロウ」 | '07/11/09 |
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ヨズクハデが立ち並ぶ光景は、まるで巨大なフクロウだ(大田市温泉津町)
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山あいの集落へ車を走らせていると、稲刈り後の棚田で羽を休める巨大なフクロウの姿が目に飛び込んできた。大田市温泉津町の西田地区。正体は、言い得て妙なヨズクハデだ。
この地域ではフクロウをヨズク、稲掛けをハデと呼ぶ。木を四角すい状に組み、五百もの束を掛ける。高さ約五メートル。地域の神社にまつる海の神から教わった漁網の干し方を模したと伝わる。
今夏、世界遺産となった同市の石見銀山遺跡。西田は戦国時代後期、銀山と積み出し港を結ぶ道の宿場町として栄えた。戦後は三百もあったハデだが、現在は十六ほど。「独自の伝統文化。絶やすわけにはいかんよ」と、農業平田正行さん(79)。銀山にまつわる歴史的景観としても伝承する考えだ。
(写真と文・坂田一浩=中国新聞)
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