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浦戸諸島 潮風受けて毎日通学'04/10/13

潮騒の音を聞きながら小学校に通う。毎朝、約150メートルの航海だ(宮城県塩釜市浦戸の寒風沢島―野々島間)
渡しの風景  日本三景・宮城県の松島湾内に浮かぶ浦戸諸島。島には定期船も運航されているが、一部の島の子どもたちは渡船を使って通学している。

 浦戸諸島は桂島、野々島、寒風(さぶ)沢島、朴島の四島からなる。人口は合わせて七百二十一人。小学生は十九人しかいない。

 今春、児童数の減少などで、寒風沢島にあった浦戸一小が閉校、桂島の浦戸二小に統合された。寒風沢島の小学生は毎朝、渡船で野々島に渡り、定期船に乗り換えて桂島に通学している。

地図  午前七時三十分。五年生の土井由貴さん(11)と三年生の郷古泰拓くん(8つ)が、寒風沢島の船着き場にやって来た。赤い小旗をポールに揚げて合図すると、渡船が対岸から迎えに来てくれる。

 波静かな海を、さざ波を立てながら渡船が走るいつもの風景。この島で生まれ育った船頭が言う。「島民にとって航路は道路、船は車と同じなんだよねえ」

(写真と文・長南康一=河北新報)


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