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しおかぜ通学 船内も教室 笑顔輝く'02/9/16

午後5時半、子どもたちは校長先生と定期船で本土にもどる(愛知県一色町の佐久島)
渡しの風景  毎朝七時四十分、先生と子どもたちが同じ船に乗り込む。「おはようございます」「おはよう」。船着き場が学校の校門、会話が弾む船室内は、さながら始業前の教室だ。

 三河湾に浮かぶ佐久島(愛知県一色町)の学校へ船に乗って登校する”しおかぜ通学”。島の人口は三百四十人足らずで、「子どもを呼び込んで活力を」と、町教育委員会が昨年から始めた。

 島外からやってくる佐久島小、中学校の生徒は五人。全員が希望して島の学校を選び、一人も転校することなく今春進級した。五年生の兄と一緒に通う山崎研君(三年)は、「島のイベントに参加したり授業で海水浴や潮干狩りをしたりして面白い」と日焼けした顔を輝かせた。

地図  町営渡船での航海は片道約三十分。湾内には島々が点在し、漁船が行き交う。「スナメリが見えることもあります」と船の職員。天気のいい日、海はブルーに輝く。

(写真と文・鵜飼一徳=中日新聞)


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