新幹線車両 木づちで「顔」造形 | '03/6/24 |
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世界最先端の流線形の仕上げは木づちの板金作業。曲面には無数の打ち込みの調整跡が浮かび上がる
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滑らかなライン。それはまだ金属板を張り合わせただけだが、ジェット機を思わせる。川崎重工兵庫工場(神戸市兵庫区)は歴代新幹線の生産拠点。ここでは列車の「顔」ともいえる先頭車両を手作業で製作する。
東海道新幹線開業時の0系から最新の700系まで、車体は高速化とともに、鉄から軽くて丈夫なアルミ合金へ。風圧をかわし、時速三百キロ近い速度で走る流線形の先頭車両は、微妙なカーブが多く、熟練の技がものをいう。
平面から立体へ。「設計図を見ながらアルミ板を形づくる作業は、体が覚えていく」と、三十年余り先頭車両を手掛ける板金組立技能士の野上光次さん(48)。アルミ板を曲げるには機械を使うが、最後の微妙なカーブの調整では、昔ながらの木づちが活躍する。
経験と勘の職人技が、世界最高水準のハイテク車両を支える。
(写真と文・藤家武=神戸新聞)
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