美術造形 客招く雄姿 リアル | '03/6/27 |
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夜の街を泳ぐシロナガスクジラ。本物そっくりの造形が客の目を引く
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夜更けの高知市の飲食店街。巨大なシロナガスクジラが、悠々と泳ぐ。「寄っていかんかよ」。誘い掛けるように笑った口元が印象的だ。
実はこれ、すし店の”看板”。商業施設などの内外装を手掛けるトレッドウェイ・インダストリーズ・ジャパン(高知県香我美町)が製作した本物そっくりの美術オブジェだ。
同社は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの外装を担当するなど、美術造形や特殊建築技術の質の高さで知られる。「独自開発の素材と工法で、建物丸ごとを短期間でリアルかつ安価に造れるのが強み」(吉井洋之副社長)。
鯨は全長六メートル。エメラルドグリーンの目が神秘的に輝く。担当した同社の森由香利さんは「目一つで鯨が生きも死にもしますから」と話す。
ほろ酔い気分で店を出るお客さんの頭上で鯨がにやり。「また来(き)いや!」。土佐弁で確かにそう聞こえた。
(写真と文・佐藤邦昭=高知新聞)
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