タイトル「ひろしま 都心のあした」
  パート 2  社会実験

     街の声(上)  大手町通り

       「歩車分離」に評価や注文

Photo
注目度が高い、大手町通りでの「歩車分離」ルール実験(広島市中区)

 今月二日に広島市中区で始まった都心交通の「社会実験」が、残り一週間を切った。街に出て、実験ルールに触れてみた感想が、手紙やメール、電話で取材班に寄せられている。その中から、今回は「歩車分離」実験が行われ、注目度の高い大手町通りに関する声を紹介する。

 ■変革姿勢に好感/歩道の幅狭い

 中区の主婦原田リサさん(31)は「今回の実験に好感を持てた」という。「道が狭いから無理だとあきらめず、できる範囲内で市がアイデアを出し、試みてくれた点が、市民にとっては大きいと思う」

 実験風景について「そう変わらず、がっかり」と言う安佐南区の主婦村上友香さん(45)も「何かを変えていこうという姿勢は、とてもいい。わずか一カ月で目に見える成果が出なくても、へこたれないで」と、望みをつなぐ。

 一方、西区の会社員水田潤さん(45)は「歩車の区別は分かりやすいが、通行人の数に比べて歩道の幅が狭い。人が押し込められ、車は車線をしっかりキープしている」矛盾を感じている。

 規制に見返り

 実験が反発を招かないかと懸念する声も。「ポイ捨て禁止や駐輪禁止などの規制が息苦しく感じられ、さらなる都心離れを起こさないか、とても心配」。佐伯区の会社員米田勝さん(30)は、社会実験にも「規制の見返りが、何か必要では」と気遣う。逆に、安佐南区の無職対馬信夫さん(70)は「禁煙、ポイ捨て禁止と同じように、やるなら都心一帯で実験をするべきだ。中途半端は、いけん」と言う。

 荷さばき場を

 携帯電話などの配送で広島都心を回る、呉市の会社員飯森秀和さん(34)は、路上荷さばきの自粛時間延長に弱っている。開店時間が午前十一時と遅い配達先もあり、自粛時間帯と重なる。「共同の荷さばき場をぜひ、設けてほしい。騒音や排ガスを減らし、環境的にもいいはず」

 廿日市市の無職滝川貴志さん(21)も、荷さばきのルールは「今後、車の乗り入れ規制に道筋をつけるためにも必要」とみる。「仕事だからと当然のように路上駐車するのは、そもそも変」

2004.2.24