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■特集 ボスニア・ヘルツェゴビナ編 紛争を超えて
NGO「真実と和解」代表 ヤコブ・フィンツィさん(61) '05/2/7

 ■平等・共通の歴史確立を

 ―「真実と和解」を設立した目的は何ですか。

 一般的な戦争には勝者と敗者があるが、ボスニアは全国民が敗者だ。時がたてば、政治家は自分の民族に有利な紛争の歴史を語りだす。一つの国家として再生するためには、主要三民族に平等な共通の歴史が必要だ。それを確立するためにつくった。

 ―具体的な活動は?

 兵士、被害者、紛争中に善い行いをした人の三グループから証言を集めて、データベース化する。今年中に正式な委員会を設立し、全国十三カ所に証言集めの拠点を設ける。証言集も出版する計画だ。兵士の中にはやむなく人を殺し、いまだに眠れない夜を過ごす人もいる。兵士も紛争の被害者だ。証言は兵士にとって「許し」となり、被害者には「癒やし」となるだろう。

 ―組織はどうなっているのですか。

 紛争中、全国百余りの市民団体が集まって復興への道を話し合った際、このアイデアが生まれた。紛争後にまた一緒に暮らすことは、当時から明白だったからだ。この流れを受けて二〇〇〇年、市民グループの連合体として「真実と和解」が設立された。委員会スタート後は、国や海外からの援助で運営を賄う。

 ―民族間の和解は難しい課題ですね。

 そう。建物の復興は進んでも、人々の心の中には深い傷が残っている。和解が簡単に進むとは思っていない。でも、市民の力を集めて必ず実現する。戦争の悲劇を体験した広島、長崎の人々の意見も参考にしていきたい。

 <プロフィル>クロアチア生まれ。サラエボ大卒業後、66年から弁護士として働く。95年にボスニア国内のユダヤ人コミュニティー初代会長に就任。現在は人道援助の専門家として講演活動を幅広く続けている。


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