中国新聞


小中高生の体力 授業充実で向上
広島県教委本年度調査


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 広島県内の子どもの体力や運動能力は改善傾向にあり、約六割の種目で全国平均と同等か上回っていることが県教委の本年度の体力・運動能力調査(速報値)で分かった。ただ、三十年前の調査と比較すると劣っている種目も多く、県教委はさらに体育の充実を図る考えだ。

 調査は小学一年から高校三年までが対象。学年ごとに男女各千五百十人を抽出して昨年四―七月、握力▽上体起こし▽前屈▽反復横跳び▽持久走▽五十メートル走▽立ち幅跳び▽ボール投げ―を調べた。

 学年別、男女別を加味した全二百四種目のうち、全国平均(昨年度)と比べて同等か上回った種目は66・2%の百三十五種目で、昨年度の県調査から14・7ポイント増えた。二〇〇〇年度との比較では45・5ポイント増だった。

 スポーツ振興課は「始業前の縄跳びや持久走などを学校単位で進めるなど、継続的な取り組みの成果が出ている」と分析。県教委も昨年度から、教員志望の大学生二十人を体育の実技ボランティアとして、小学校二十校に派遣するなど授業の充実を図っていた。

 ただ、親世代にあたる一九七八年度の県教委調査との比較では、中学二年男子の千五百メートル走の平均タイムが当時の6分14秒に対し、本年度は6分42秒。このほか握力やボール投げでも、大幅な運動能力の低下があった。

 県教委は一〇年度までに、全国平均と同等か上回る種目の割合を75%にする目標を掲げており、地域や家庭とも連携しながら、さらに体力の向上を図る方針。(永山啓一)

(2009.1.21)

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