中国新聞


介護・子育て 歌声のエール
妻を介助 角井さんCD制作
力を抜いて愛をささげよう/頑張りすぎず愛を育てよう


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「かわいい天使たち」のCDを手にする角井さん

 介護や育児疲れから起きる悲しい事件を減らしたい―。岩国市通津で妻の介護を続ける無職角井輝久さん(62)が、子育てに悩む人への応援歌「かわいい天使たち」を作詞し、友人の曲と歌唱を付けてCDを制作した。CDは昨年、介護者に向けた歌「ただ、それだけで」に続く2枚目。共通するのは「歌の力で疲れた人を勇気づけよう」との思いだ。

 妻孝子さん(56)は2004年、脳内出血で倒れて右半身まひとなった。車いす生活を送る中、糖尿病から失明。さらに腎機能も低下し、週3回の人工透析を余儀なくされた。

 当時、角井さんは製紙工場に勤めるサラリーマン。3交代勤務の傍ら、自宅での介護と家事全般、病院への送迎がのしかかった。

 介護生活4年目の夏、柳井商工高の同級生、シンガー・ソングライターあどRun太さん(62)=本名渡橋一則、広島市安佐北区=のライブを同窓会で聞く。「自分と同じ境遇の人を歌で元気づけられるのでは」。思いを歌詞にし、Run太さんに送った。曲と歌唱が付き「ただ―」が完成した。

 「かわいい―」も同じコンビの作。歌詞を書くきっかけは昨年夏、大阪市内で幼い姉弟が置き去りにされた育児放棄事件。姉弟の写真をニュースで見るたび涙が止まらなかった。子育てに行き詰まった人に向け、歌詞に「力を抜いて 愛をささげよう」「頑張りすぎず 愛を育てよう」とつづった。

 角井さんは「精神的に追い詰められて起きる事件は、決して人ごとじゃない。書いた歌が誰かの救いになれば」と話している。

 CDはいずれも1枚千円。角井さんTel0827(38)1487。(藤田菜穂子)

(2011.2.3)

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