中国新聞


農家と学校 栄養士つなぐ 世羅
給食に地元野菜の使用6割


   

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<左>世羅小で給食の時間にカボチャを作っている農家の話をする浜岡さん(左端)
<右>カボチャ農家を訪れて栽培の苦労などを取材する福間さん(右)

 広島県世羅町の学校給食に使う地元産野菜の品目割合が、2012年度末で約62%と、14年度までの目標30%を大きく上回った背景には、町内の給食センターに勤める管理栄養士2人の取り組みがある。農家との対話や、学校での食育授業を通じて両者のつなぎ役に。町教委学校教育課は「大幅アップは2人の地道な努力のおかげ」と評価している。

 世羅学校給食センターの浜岡敏子さん(53)=尾道市栗原町=と、せらにし学校給食センターの福間智美さん(53)=世羅町小世良。浜岡さんは世羅小の栄養教諭でもある。2人は給食の献立や栄養バランスを考える傍ら、生産農家を訪れて食材の供給を交渉したり、栽培の様子を取材したり。取材内容はプリントにまとめ、児童や生徒に毎月紹介する。

 今月はカボチャがテーマ。2人はそれぞれ農家を取材し、後日、小中学校で説明した。世羅小では、浜岡さんが農家の苦労や工夫を給食中の1年生30人に紹介。児童はカボチャのサラダを食べながら「もっと食べたくなった」などと話した。

 同町は、10年度策定の町食育推進計画で、学校給食における地元産野菜の使用を重点項目に掲げた。2人の取り組みなどによって、地元産野菜の品目割合は、09年度の約12%から12年度は5倍以上に急増した。

 浜岡さんは「農家や農家を紹介してくれる産直市場などのおかげ。作っている人の思いが伝わる給食にしたい」。福間さんは「まだ地元産が少ない時期もある。大豆など野菜以外も取り入れたい」と話している。(杉原和磨)

(2013.9.21)


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