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きのこ雲の上部鮮明 熊野町から撮影 '04/8/5

●原爆資料館写真収集呼び掛けに成果

 広島市中区の原爆資料館は四日、広島県熊野町から撮影された原爆のきのこ雲、焼け焦げた市内電車の写真を新たに入手したと発表した。同資料館にあるきのこ雲の写真はこれで十七点になる。高野和彦副館長は「標高の高い場所で撮っているため、雲の上部の形状がよく分かる。貴重なカット」と説明している。

 縦五・五センチ、横四センチ。筆製造業の故北村久夫さんが現在の熊野町役場近くにあった自宅兼作業場で、原爆投下から約二十分後に撮影したとみられる。爆心地から南東へ約十三キロ、標高二百三十メートルの地点となる。

 きのこ雲の下部三分の二は手前の山に隠れているものの、上部の様子はくっきりと写る。これまでに資料館が入手した十六点は大半が爆心から十キロ以内の市街地で撮影しているため、上部の様子は分かりにくかった。

 地域の警防団に所属していた北村さんは、原爆投下翌日に入市し、犠牲者の収容作業にあたった。一九八八年に六十四歳で死去。二女の森本俊子さん(54)=南区=が今年七月、写真提供を申し出ていた。

 また、焼け焦げた市内電車の写真を寄託した故岸田貢宜さんの遺族はこのほか、岸田さんが既に寄託している原爆投下直後の写真十二点を鮮明な画像に焼き直し、あらためて寄託した。

 原爆資料館など広島、長崎の原爆関連四施設は中国新聞社などとともに被爆資料の収集を全国規模で呼び掛けている。

【写真説明】故北村さんが広島県熊野町から撮影した原爆きのこ雲


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