関連ニュース
核廃絶へ日本と協力 ウクライナ大統領 '05/7/24

 ▽広島で資料館見学

 国賓として来日中のウクライナのユーシェンコ大統領が二十三日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、原爆慰霊碑に献花し原爆資料館を見学した。ウクライナは旧ソ連から引き継いだ核兵器を全廃しており、大統領は日本とともに核兵器廃絶を国際社会に働きかけていく考えを示した。

 大統領は、カテリナ夫人らとともに初めて広島市を訪問。秋葉忠利市長の先導で慰霊碑に花を手向け、黙とうをささげた。続いて、畑口実館長の案内で約一時間かけて資料館を見学した。

 熱線で全身を焼かれた被爆者の写真を前に「むごい」と首を横に振り、焼けただれた皮膚の垂れ下がった人形に手を合わせていた。

 ウクライナでは旧ソ連時代の一九八六年、チェルノブイリ原発事故で多くの住民が被曝(ひばく)している。今年一月に就任した大統領は放射能被害にも強い関心を示し、「放射能を除去した方法は」など質問を繰り返していた。

 資料館に備える芳名録には「あのような悲劇を阻止することがわれわれの義務。犠牲者の記憶に敬意を表し、核の脅威のない世界をつくるため、友人である日本国民と連帯している」と記した。予定になかった原爆ドームも訪れ、自らがカメラを手に撮影していた。

 ウクライナが核兵器を全廃したのは九六年。大統領は記者団の取材に対し「国際社会は、核の恐ろしさを認識しないといけない。復興した広島は放射能被害を受けたウクライナの国民に力を与える」と語った。

 大統領は二十日に来日。小泉純一郎首相との首脳会談などの後、被爆地訪問を希望して二十二日に大統領専用機で広島入り。二十三日は宮島も見学し、夜に広島空港から帰国した。

【写真説明】原爆慰霊碑に献花するウクライナのユーシェンコ大統領


MenuTopBackNextLast

ホーム