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核廃絶、被爆地で討議 パグウォッシュ広島会議開幕 '05/7/24

 核兵器廃絶への道筋をめぐり世界の科学者が討議するパグウォッシュ会議の第五十五回年次総会が二十三日、広島市中区の広島国際会議場で開幕した。四十四カ国から約百七十人が参加し、「ヒロシマ・ナガサキから六十年」をテーマに、二十七日まで意見交換を続ける。

 核戦争による人類滅亡の危機に警鐘を鳴らし、同会議発足のきっかけとなった「ラッセル・アインシュタイン宣言」から五十年。被爆地で原点に立ち戻り核兵器廃絶を論議しようと、十年前に次いで二回目の広島開催となった。参加者らは開会式の後、平和記念公園の原爆慰霊碑に献花し、被爆者の証言を聞いた。

 これを受けて全体会議で実質討議に入り、米国の元大統領府科学技術諮問委員でハーバード大のジョン・ホールドレン教授が、核軍縮の歩みや米国の核政策について講演。「道徳面も含め核兵器は『間違っている』との意識に立たない限り、廃絶はできない」と述べ、世論喚起を図る教育の重要性を提起した。

 六つのワーキンググループに分かれての論議も始まった。五日間の会期中、テロが多発する国際情勢を受け核不拡散の実効的な方策なども議論の焦点となりそうだ。最終日の二十七日、世界に向けた「宣言」を発表する。

 二十四日は広島市の秋葉忠利市長の講演や全体会議、「市民との対話」などがある。

【写真説明】核兵器廃絶の方策をめぐり実質討議に入ったパグウォッシュ会議年次総会の全体会議


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