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平和の灯や原爆資料館を見据える原爆の子の像。毎日、若者たちが集まり、折り鶴をささげる(撮影・坂田一浩)
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核廃絶の未来見つめる
折り鶴が絶え間なく像に手向けられる原爆の子の像(広島市中区)。高さ六メートルの台座の上で折り鶴を掲げる少女は、どこにまなざしを向けているのだろうか―。それが知りたくて同じ目線に立ってみた。視線をなぞると、核兵器廃絶の日まで燃え続ける平和の灯、さらに先に原爆資料館が見えた。
広島文教女子大付属高(安佐北区)三年の岡ひとみさん(17)は二十九日、ひろしま市民芸術祭に出演、原爆資料館の下でオーボエを奏でる。亡き人を悼む「千の風になって」。同じ場所で演奏したことはあったが、「サダコの視線」を意識することはなかった。「像まで音色を届けたい」と思う。
像が建立されたのは一九五八年。被爆し、白血病のため十二歳で亡くなった佐々木禎子さんの同級生たちの訴えが全国に広がり、募金が集まった。来年五月五日のこどもの日、完成からちょうど五十周年を迎える。(山成耕太)