【イスラマバード11日森田裕美】パキスタンで平和交流を続けている広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第五陣メンバー四人は十一日、首都イスラマバード市内のホテルで市民集会を開き、核兵器保有や安全保障などをめぐって意見を交わした。
学生や研究者、非政府組織(NGO)のメンバーら約六十人が集まった。被爆者の岡田恵美子さん(68)=広島市東区=が被爆体験を語り、「すべての国から核兵器廃絶を」と訴えた。
会場からは、核兵器保有宣言をした北朝鮮の脅威を例に挙げ、日本の核武装論を問う声や、核抑止力の機能を指摘する意見も出た。
廃絶の方法については「世界から同時に核兵器を廃絶するのは理想論ではないか」との質問もあった。
広島修道大四年の佐々木崇介さん(22)=安佐南区=は「核兵器で安全が保てるというのは神話。パキスタンの人はまずインドから、インドの人は米国や中国から廃絶をと言う。これでは何も始まらない。同時に平等になくす方が実現性が高いと思う」と答えていた。
一行は十四日まで平和交流を続け、十五日に帰国する。
【写真説明】被爆の実情を語り、集まった市民に核兵器廃絶を訴える佐々木さん(左端)らメンバー(撮影・山本誉)
   
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