広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)第一陣に参加した薬剤師の津谷静子さん(50)=広島市東区=が二十日、安佐南区の県立祇園北高で一年生約三百二十人に講演。帰国後も支援を続けるイランの毒ガス兵器被害者たちとの交流などについて話した。
講演は、平和ミッションが取り組む「出前授業」の一環。津谷さんは、第一陣メンバーが昨年四月に訪ねるまで誰にも知られることのなかった毒ガス被害者たちが、自らを「第二のヒロシマ」と呼んで復興した被爆地に希望を見いだしていた体験を紹介。「心の交流で、私の方が希望を得た。小さな一人でも必要な存在。それぞれの立場で豊かに生きて」と語り掛けた。
メモを取りながら聞いた上川拓人さん(15)=北広島町=は「今の世界は平和とは言えないし、平和なんて何だと卑屈に思ってきた。でも、それをつくるためには自分自身が何かやらなくてはという気持ちがわいてきた」と話していた。
【写真説明】高校生たちにイランでの体験を紹介し、一人一人の存在の大切さを語る津谷さん(右端)
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