北米&中南米

ライオン・子羊平和芸術センター(米オハイオ州)

(10年5月24日)

■館長 ルイーズ・マシューズ

 1987年、ブラフトン大(米オハイオ州)のエリザベス・ホステトラー博士が設立した。子どもたちや大学生に、平和や正義、文化理解、トラブルの非暴力的な対応について考える資料や教育プログラムを提供している。

 平和や文化理解についての児童文学、絵画、彫刻、DVDなどを幅広く所蔵し、教育者向け資料やカリキュラムもある。大学図書館の目録やセンターのオンライン目録からも閲覧、アクセスすることができる。

 館内にはエレノア・コア氏が文を、ロナルド・ヒムラー氏が絵を担当した絵本「サダコと千羽鶴」の原画も展示。サダコの生涯と死は、平和と文化理解の必要性を感じさせる。

 センター前には彫刻が並ぶ庭園がある。ジョン・バーロウ・ハドソン氏による「平和の壁」は、ベルリンの壁などを模して制作された。私たちが壁を使って人々を閉め出し、閉じ込め、あるいは記念物として残していることを表している。円形の「月の門」は、調和や完全な姿に私たちが近づくことを表現する。その門をくぐる行為は、私たちを切り離そうとする壁を拒む象徴的な動作となる。

 来場者に合わせたワークショップも提供している。児童文学や音楽、絵画、演劇、道具を題材に使い、寛容さや他者への尊敬、多様性や文化の理解、移民、紛争解決、調停などのテーマを学ぶことができる。

住所 1 University Drive, Bluffton, Ohio 45817
電話 +1―419―358―3207
ホームページ http://www.bluffton.edu/lionlamb/
開館日 火曜〜木曜午前9時〜午後5時、金曜午前9時〜正午、そのほかは予約に応じて開館
入館料 無料

(2010年5月17日朝刊掲載)

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センター前の庭園にある作品「平和の壁」(正面)や「月の門」(左端)を見る来場者


2009年10月にあった子どもたちの平和会議「境界を越えて」の参加者。多様な文化を受け入れ、尊重することを学んだ。


ブラフトン大に通う学生の母国の国旗が並ぶ。16言語で世界平和への祈りを示した平和のポールもある。


ポール・グランランド氏による彫刻「地球星座」。大陸を模して組み合わさっている人の形は、すべての人類がつながり合っていることを表している。2つの同じ彫刻がミネソタ州と長崎市にもある。