米国が広島市民の頭上で核兵器をさく裂させて64年。被爆地広島はきょう、原爆の日を迎えた。被爆者は「核兵器は絶対悪」と訴えを続けているが、オバマ米大統領の就任で核兵器をめぐる国際情勢は一変。廃絶を訴える被爆地に順風が吹き始めた。
原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)が営まれる爆心地に近い広島市中区の平和記念公園には、未明から永久(とわ)の平和を願う遺族らの無言の祈りが続いている。
午前8時から始まる式典は、原爆死没者名簿の奉納で始まる。この1年間に亡くなったり、新たに死亡が確認されたりしたのは5635人。全国の被爆者の平均年齢も75・92歳となり、被爆者は前年より8123人減り、23万5569人となった。
老いた被爆者や、遺族らは鎮魂の祈りとともに、核なき世界実現への思いを「安らかに眠って下さい…」と刻まれた原爆慰霊碑に託す。
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