北米&中南米

キッズブリッジ寛容博物館(アメリカ)

(08年6月26日)

◆事務局長 リン・アザーチ

 博物館のあるニュージャージー州は、多様性社会の縮図だ。人口800万人のうち、イタリア系、アイルランド系、アフリカ系など100以上の民族、文化グループが生活している。しかし残念ながら、不寛容や偏見、差別が、地域と国全体を脅かしているのが現実だ。

 1996年にニュージャージー教育委員会が設置した「基本カリキュラム内容基準」に沿い、ニュージャージー大のキャンパス内にオープンした。「向かい合って 偏見と差別に取り組む」をテーマにさまざまな背景を持つ子どもたちや家族が共に学ぶ場を提供している。

 大きな特製パネルやビデオ、多彩な教材を使い、自分の力で世界をより住みやすい場所にできると信じ、自立した考え方を持った人間になるよう導く。説明員は大学の教官や学生が務め、毎年約2000人の小中学生やボーイスカウトたちが訪れる。

 公立小学校など、教育機関とも連携。親切な行為や地域ボランティア活動をした子どもを表彰したり、6歳から18歳までの青少年を募り夏季キャンプを実施したりしている。

 今年は、小学生を対象に、難民が生まれる状況を学び、難民の子供たちが異文化のもとで暮らすときに直面する試練を共有する「難民への認識と配慮のワークショップ」にも取り組んでいる。

住所 P.O. Box 4561 Chambersburg Station, Trenton, NJ 08611 U.S.A.
電話 +1-609-581-0239
ホームページ http://www.kidsbridgemuseum.org/
開館日 団体が対象。要予約
入館料 団体の規模等により、スライド制

(2008年6月16日朝刊掲載)

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高所得者層と貧困家庭の子どもたちが一緒に多様性について学ぶワークショップの様子


ワークショップの様子