北米&中南米

USSアリゾナ記念館(米ハワイ州)

(09年5月 8日)

◆歴史家 ダニエル・マルティネス

 真珠湾中央にあるフォード島に置かれた米海軍航空隊は1918年から1941年にかけ、米軍の重要な海軍基地となった。海上のアリゾナ記念碑の真下に、日本軍に撃沈された戦艦アリゾナが沈む。当館は、米国立公園局がこの記念碑の運営を海軍から引き継いだ1980年、碑の近くに開館した。

 真珠湾の歴史と、1941年12月7日の日本軍による真珠湾攻撃までの過程を紹介。日本の航空母艦赤城の模型や、戦艦アリゾナの海中での状況を再現した大型模型を展示している。真珠湾攻撃50年目の1991年に海中から回収された日本軍の魚雷もある。

 屋外には、真珠湾攻撃の被害を示す解説板、民間人を含むすべての米国人犠牲者の名前を記した「追悼の環」を設置している。

 記念碑には年間160万人以上が訪れ、一帯はハワイの代表的な観光地だ。

 現在5600万ドル(約56億円)かけ新たな博物館とビジターセンターを建設している。2年後に完成予定。日本、中国、韓国など太平洋戦争を経験した国々と連携を図り、過去の困難な時代を理解し、友好を築く場を目指したい。

 ハワイ州誕生50周年となる今年は、広島市とホノルル市の姉妹都市提携50周年でもある。アリゾナ記念碑も原爆ドーム同様、なぜ戦争が起こり、その結果何がもたらされたのかを考えるきっかけを提供してきたように思う。

住所 1 Arizona Memorial Place Honolulu, Hawaii 96818-3145
電話 +1-808-422-2771
ホームページ http://www.nps.gov/usar/ 
休館日 感謝祭、12月25日、1月1日
入館料 無料

(2009年4月20日朝刊掲載)

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戦艦アリゾナの記念碑。記念碑の下には、日本軍に撃沈された戦艦アリゾナが沈む


真珠湾攻撃で使われた日本軍の魚雷。1991年に海底から回収された


戦艦アリゾナの船員たちが、生前、野球やボートの大会で勝ち取ったトロフィー。真珠湾攻撃で、1,177人の乗組員が命を落とした