北米&中南米

ミッシング・ピース・アート・スペース(米オハイオ州)

(11年4月 8日)

◆館長 スティーブ・フライバーグ

 当館は2009年9月に開館した。かつて馬車置き場だったれんが造りの建物は、地元の芸術家ガブリエラ・ピケットが所有し、私(元デイトン国際平和博物館長)と友人たちも協力して美しくよみがえった。

 ピケットや私は「平和の芸術」のための特別な場所が必要だと考えていた。そこを訪れた人が平和や社会正義について思いをはせることができるスペースだ。

 遠い祖先が洞窟画を描いて以来、芸術は人間の熱望や経験を伝える手段となった。それは言葉の壁を越え、創る者と見る者が親密に関わる一瞬を提供する。

 当館は現代の平和芸術や歴史的視点を有する作品を展示している。できるだけ新しい作品を鑑賞してもらえるよう、それぞれの展示期間は短い。

 開館以来、いくつもの作品展を開いた。最初は写実主義のマックス・ギンズバーグ展。写実派の絵は、米国社会の根底に潜み、大きな影響を与えかねない社会問題をじっくりと見つめる機会を提供してくれる。

 大恐慌の時代から活躍し始めた社会活動家メアリー・ペリー・ストーンに敬意を表し、彼女の作品展を開いた。また館内に彼女の名前を冠したギャラリーを設け、女性芸術家とその作品のコーナーとしている。

 非営利の当館は「世界平和のためのユニテリアン・フェローシップ」の事業の一つでもある。

住所 234 S.Dutoit St. Dayton Ohio 45402 USA
電話 +1-937-241-4345
ホームページ http://www.missingpeaceart.org/
休館日 主な祝日
入館料 無料

「世界の平和博物館」は今回で終わります。

(2011年4月4日朝刊掲載)

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メアリー・ペリー・ストーン展「芸術は私たちを人間にする」


マックス・ギンズバーグ展「正義を知り平和を知る」


アリゴ・マスティ2はイタリアの画家アリゴ・マスティによる2枚の油絵で、平和のサインはジェイミー・キギンズがオハイオのコロンバス警察が押収した銃で表現したもの。


メアリー・ペリー・ストーンの平和ギャラリー。芸術家メアリー・ペリー・ストーンに敬意を払い彼女の名前を冠したこのギャラリーは女性による平和に関する作品を集めている。


英国のエミリー・ジョーンズ氏の「悪の枢軸に関する絵画天国」展


ギャラリーの外観。鳩のイルミネーションが光る。