健康問題や援護策討論
日本と韓国の被爆二世が交流、意見交換するシンポジウムが二十五日、東京都内であった。全国被爆二世団体連絡協議会(平野伸人会長)、韓国被爆二世の会(李承徳会長)などの主催で四回目。被爆二世の健康問題や社会の理解不足への対応、必要な援護策などについて討論した。韓国の被爆二世五人を含む約九十人が参加した。
両国の被爆二世五人が発言した全体会では、両親が広島で被爆した日教組被爆教職員の会の中谷悦子幹事が、二世の健康不安や正確な人数さえ分からない国内の現状を説明。韓国の李太宰・二世の会釜山支部長は、長崎で被爆した父親が差別や偏見に悩む様子を語り「韓国の二世の活動には日本の二世との協力が不可欠だ」と強調。二世の健康診断や実態調査の実施を求めた。
健康問題や両国の連携の在り方などをテーマにした分科会で、平野会長は両国の二世の交流の必要性を強調し「高齢化する被爆者から二世が課題を引き継ぎ、被爆の実相を伝えなければならない」と呼び掛けた。
シンポでは、両国の二世が信頼関係を築いて平和運動に取り組むとした共同宣言を採択。韓国の李会長は「韓国では、二世の存在が認識されていない。来年の被爆六十周年に向け、世論を喚起していく」と話していた。シンポは来年、広島市で開く予定。
【写真説明】日韓両国の被爆二世が参加したシンポジウムで、現状や課題を報告する参加者たち
    
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