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傷なお深く 「一中」慰霊祭 '04/7/26

 現国泰寺高遺族会 同級生・きょうだい悼む

 旧制広島一中(現国泰寺高)の原爆死没者慰霊祭が二十五日、中区国泰寺町一丁目の同校であった。遺族会が主催し、約百三十人が参列。原爆投下当時一年生だった東京都東大和市の高井潔さん(72)は初めて出席し、亡くなった同級生を悼んだ。

 高井さんは原爆投下の二日前に足を負傷したため、一年生の多くが犠牲になった学校近くの雑魚場町(現中区)での建物疎開作業は欠席。五十人のクラスで一人だけ生き残ったという。校内の慰霊碑に刻まれた同級生たちの名前を読み、「涙が出てしまった」と話した。

 慰霊祭では全員が碑に献花した後、一年生だった弟の礼三さんを亡くした大井孝三遺族会会長(74)が「両親の嘆き、兄弟の悲しみは忘れられることはない」とあいさつ。生徒代表の国泰寺高二年川地琴音さん(16)は、当時の負傷者が運ばれた似島(南区)で今年、多くの遺骨が見つかっていることに触れ「今なお残る傷跡の深さに驚いた。この悲惨さを伝えたい」と誓っていた。

【写真説明】白菊を献花する高井さん(中央)や遺族たち


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