厚生労働省は、被爆者援護法に基づき被爆者に支給している介護手当について、受給中の被爆者が亡くなった後は遺族が申請できるとする新たな見解をまとめ、広島市など自治体に通知した。これまで「手当受給権は被爆者本人に帰属し、相続できない」として遺族が代理で申請・受給するのは認めていなかった。
介護手当は、介護保険や訪問介護など在宅で介護サービスを受けた費用について、一定限度(重度は月額十万四千九百七十円)内で支給される。被爆者本人が診断書などを提出しなければならず、死亡する直前まで介護サービスを受けていた場合などで、本人申請できない空白期間が生じていた。
被爆者や遺族からの苦情を受け、広島市は一九九一年ごろから国に対し、遺族が申請できるよう要望。このほど厚労省が認めた。五年前にさかのぼって適用し、一九九九年七月一日以降の介護費用が対象となる。
    
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