元教諭で被爆者の松島圭次郎さん(75)=広島市佐伯区五月が丘=が八月一日から六日にかけ、ベルギーである平和行進に参加する。平和市長会議(会長・秋葉忠利広島市長)が提唱している核兵器廃絶キャンペーンに呼応した同国の反核平和団体「母なる地球のために」に招かれた。
広島の市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」の森滝春子共同代表を通じ参加依頼があった。行進は一日にブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部前を出発。原爆の日の六日、約百三十キロ西にあり、第一次大戦中に世界で初めて毒ガス兵器が使われたイーペルに到着する。松島さんは車で同行し、経由地で英語で証言する。九日にはゲント市での灯籠(とうろう)流しに加わる。
松島さんは千田町(現中区)にあった広島高専(現広島大工学部)在学中に被爆。小学校教諭だった一九六六年に渡米し、シカゴ郊外でヒロシマを伝えた。退職を機に、ワールド・フレンドシップ・センター(西区)の平和使節などとして、米国とドイツで百回を超す証言を重ねている。松島さんは「『ノー・モア・ヒロシマ』を合言葉に、核兵器廃絶の世論形成を手伝いたい」と意気込んでいる。
    
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