原水禁国民会議系の被爆59周年原水爆禁止世界大会は一日、東京都内での国際会議で幕を開けた。
約百人が参加した。福山真劫事務局長は、戦争後も混迷するイラク情勢や新たな核兵器開発をにらむ米国の動き、北朝鮮の核問題などこの一年の世界情勢を報告。「反核・平和の非政府組織(NGO)が、核廃絶の流れを作り出さねばならない」と呼び掛けた。
パネリストによる意見交換で立教大の李鍾元教授は「イラクの混乱を背景に、米国の北朝鮮政策も行き詰まっている」と指摘。核問題をめぐる六カ国協議について「米国以外の中国や韓国、日本、ロシアが協力すれば北朝鮮との関係改善は進む」と述べた。
米国の核政策アナリスト、ハンス・クリステンセン氏は「米国の安全保障政策において核兵器の比重が増している」と分析し、核の先制使用や地下貫通型の核開発を進めるブッシュ政権を批判。核拡散防止条約(NPT)の強化、徹底を通じて米国に核軍縮への政策転換を迫る必要性を訴えた。
原水禁系は引き続き四〜六日に広島市内で広島大会を開く。また日本原水協系の原水爆禁止世界大会も二―六日に同市内で国際会議、広島大会を開催。米国の核政策や被爆国日本の役割、被爆六十周年を来年に控えた平和運動の在り方などについて話し合う。
【写真説明】北朝鮮の核問題や米国の核政策をめぐり討議した原水禁系の原水爆禁止世界大会国際会議
    
|