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原爆犠牲者へ鎮魂歌、再び 建立50年の世界平和記念聖堂 '04/8/2

 エリザベト音大卒業生ら合唱 400人聞き入る

 六日の原爆の日に建立五十周年を迎える広島市中区の世界平和記念聖堂で一日、原爆犠牲者を鎮魂するレクイエムの合唱会があった。半世紀前の完成時に歌った曲を中国地方で最大規模の聖堂に響かせた。

 隣接するエリザベト音楽大の卒業生たち七十八人の合唱団が、パイプオルガン前の楽廊に陣取った。曲は五十年前の八月六日、聖堂の完工式と初の原爆犠牲者慰霊式で歌われたフォーレ作曲のレクイエム。透き通った歌声を、信徒や市民約四百人が静かに聞き入った。

 聖堂は、前身の幟町天主公教会で被爆した故フーゴー・ラサール神父が建設を発案した。欧州や南米、北米を回って賛同を得る傍ら、国内でも当時の吉田茂首相ら政財界や仏教界が建設後援会を設立するなど支援の輪が拡大。一億円の募金と鐘やパイプオルガンなどの提供を受けて完成した。被爆地の復興と平和の象徴の一つになっている。

 カトリック広島司教区平和の使徒推進室長の肥塚?司神父(63)は「聖堂をもっと市民に身近な存在にして、多くの人と平和を考えたい」と話す。五日に平和祈願、六日に原爆犠牲者追悼のミサがあり、隣接する広島カトリック会館では両日、五十年の歩みをたどる写真展も開く。

【写真説明】50年前にも歌われた原爆犠牲者を追悼するレクイエムに聞き入る市民や信徒たち


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