原爆で行方不明になった人々の消息を捜す手掛かりとなる「原爆罹災(りさい)者名簿」の公開が一日、広島市中区の原爆資料館東館地下で始まった。六日まで。
一九六八年に広島東署で見つかった原爆死没者検視調書、病院や近隣の町役場が作った罹災者名簿の写しなど八十三点の資料を公開。計二万三千三十九人の名前や住所、死亡日時や場所などが記されている。
この日は二組四人が訪れ、肉親の被爆状況などを確認しようとしたが、いずれも名簿になかった。昨年は六日間で四十一人が訪れ、うち四人が肉親の名前を見つけている。
同じ会場では今年から、国立広島原爆死没者追悼平和記念館(中区)への遺影登録も受け付けている。広島市安佐南区の角宮美佐子さん(51)は母の矢川智子さん(73)と訪れ、亡くなった祖父母と父親の遺影を登録していた。
同じ会場ではさらに、原爆供養塔納骨名簿も公開。市は、原爆慰霊碑に納めてある原爆死没者名簿の登載確認にも応じる。
【写真説明】肉親の手掛かりを捜す遺族が訪れている罹災者名簿の公開会場
    
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