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反核 記憶と行動の年 広島平和宣言骨子 '04/8/3

 被爆60周年へ訴え

 広島市の秋葉忠利市長は二日、六日の原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)で読み上げる「平和宣言」の骨子を発表した。被爆六十周年の来年夏までを「記憶と行動の年」と位置付け、核兵器の廃絶と被爆体験の継承を内外にアピール。新たな核開発など廃絶とは対極に向かう米国政府を批判し、日本政府には平和憲法の擁護を呼びかける。

 宣言は、小型核兵器の研究再開へと走る米国政府の姿勢を「唯我独尊主義」と強い調子で批判。頻繁なテロ、北朝鮮の核兵器保有への動きなど、暴力と報復を繰り返す世界情勢に警鐘を鳴らす。

 その上で、来年の八月九日までの一年間を「核兵器のない世界を創(つく)るための記憶と行動の一年」にすると宣言。来年五月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議を節目に、二〇二〇年の核兵器廃絶を目指すため平和市長会議(会長・秋葉市長)が提唱している「緊急行動」を紹介しながら、米国市民に支持を呼びかける。

 日本政府には、唯一の被爆国として「世界に誇るべき」平和憲法を擁護し、戦争や核兵器を容認する風潮をただすよう訴える。在外被爆者や黒い雨の体験者も含めた被爆者援護の充実も求める。

 さらに被爆地が果たす役割として、被爆六十年を「核兵器廃絶の芽が萌(も)え出る希望の年」とするため、ヒロシマ・ナガサキの記憶を呼び覚まし行動することを決意する。「広島・長崎講座」の普及や、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)が試行した被爆体験記を読み語るプロジェクトの展開を誓う。

 憲法について秋葉市長は、〇二年の平和宣言でも第九九条の擁護義務を引用し、「わが国を戦争のできる『普通の国』にしない」よう訴えている。


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