在外被爆者支援に取り組む市民団体の集会が二日、広島市中区のアステールプラザであった。在米被爆者が体験を語り、支援を呼びかけた。
在アメリカ・在ブラジル被爆者裁判を支援する会(田村和之代表)が主催し、三十人が出席した。十四歳の時に被爆し、日系二世の夫とともに一九六二年に米国に移住した下幸子さん(73)=カリフォルニア州在住=が「本人も配偶者も病気で、子どもも近くにいない被爆者も現地には多い。被爆者健康手帳や各種手当の申請のため来日するなど不可能」と訴えた。
下さんは「娘ががんになった時、私の被爆体験を指摘されつらかった。米国では被爆体験に同情してもらえても理解はされない」との体験を明かし、海外の被爆者に思いをはせて現行制度の改善に協力してほしいと呼び掛けた。
続いて在米被爆者訴訟に取り組む足立修一弁護士が裁判の経過を報告。「被爆者はどこにいても被爆者。運動を強めていきたい」と決意を述べた。
【写真説明】在外被爆者への一層の支援を訴える下さん
    
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