関連ニュース
被爆死先輩ら85人追跡 祇園高 '04/8/3

 慰霊碑出発点に「生きた証しを」冊子作り

 五十九年前の夏、学徒動員中に被爆死した広島市安佐南区の祇園高等女学校(現祇園高)の「先輩」たちの生きた証しをたどろうと、同高の二年生八十人が八十五人の追跡調査を続けている。調査はいまだ空白部分も多いものの、最終的に一冊の名簿の形にまとめる。

 調査は総合学習の授業として、担当の笹岡久美子教諭(54)が「足元から平和を考えよう」と呼びかけ、昨年四月から生徒と取り組み始めた。

 手がかりは、原爆で亡くなった生徒八十二人と教員一人の名前を刻んだ校内の慰霊碑だった。資料を集め、調べるうち、碑に名前を刻まれていない生徒二人の名前も浮かんだ。

 「どこで、どんな状態で被爆したのか」「どんな青春を過ごしていたのか」…。在校生一人が犠牲者を一人ずつ受け持ち、新聞記事や卒業生の回想録などから拾った情報を専用シートに書き込む。顔写真も捜す。

 碑文に名前のある八十三人中、生徒七十人と教員一人は原爆ドーム近くの旧広島郵便局で被爆し、十二人は爆心から一キロ余りの旧広島逓信局で原爆に遭ったと分かったが、「前後の詳しい状況も知りたい」という。

 笹岡教諭は「遺族や関係者への聞き取り調査なども考え、内容を充実させたい」と話す。成果は、十一月の校内文化祭で中間報告をする。同高は、情報提供を呼びかけている。TEL082(874)3081。

【写真説明】原爆で亡くなった「先輩」たちの足跡をたどる祇園高の生徒たち


MenuTopBackNextLast

ホーム