広島市南区の似島で見つかった原爆死没者の遺骨が三日、中区の平和記念公園にある原爆供養塔に納められた。
八十四体の遺骨はこの日、市が永安館(東区)で火葬。各宗派でつくる広島戦災供養会(中谷ミサ子会長)が計三十四個の骨つぼを供養塔に納めた。発掘現場で遺品が近くにあった十人分については今後、遺品から身元が判明することも期待し、一人ずつ骨つぼに納めてある。
原爆投下直後に、家族十二人全員が似島に運ばれ、うち父をはじめ五人を亡くしたという南区の女性(67)は姉、妹と三人で訪れた。「似島ではぐれて以来、行方不明の姉を思って来た」と納骨を見守っていた。
今回の調査のうち五月二十七日の試掘で見つかった一人分の遺骨は、既に供養塔に納めてある。
【写真説明】似島で見つかった84人の遺骨を供養塔に納める供養会の人たち
    
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