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同世代の苦しみつらい 悲劇は繰り返させない '04/8/5

■被爆教職員・児童の慰霊祭/広島

 原爆で亡くなった教職員や児童たちの慰霊祭が四日、平和記念公園(広島市中区)近くの「原爆犠牲国民学校教師と子どもの碑」前であった。遺族が高齢化する中、市内六十六の小中学校などから約六百人の子どもが参加。歌声や折り鶴をささげ、同じ世代の犠牲者に思いをはせ、平和の願いを継承することを誓っていた。

 毎年参加を続ける「ひろしま少年少女合唱団」。黙とうの後、「肩たたき」など、当時の子どもが口ずさんでいた童謡四曲を披露した。中区の舟入高二年植木規江さん(17)は七歳から慰霊祭で歌う。「同世代の苦しみを思うとつらい。心を込めて歌った」

 児童生徒の代表、西区の己斐中三年市倉左知子さん(14)は「悲劇を繰り返してはいけない」などと、自らが考えた追悼の言葉で呼び掛けた。各地で相次ぐ同世代の子どもたちが起こす事件にも触れ、「世界平和を叫ぶ前に、私たちから変わらないと」と力を込めた。

 学校ごとに千羽鶴を供えた。西区の庚午小は、折り鶴を敷き詰めた一枚のパネルを持参。「希望」を表す黄色を背景に、青や赤などで虹色のハート形を作った。「虹は架け橋のイメージ。心のつながりの大切さを伝えたかった」と発案した同小六年松尾優衣さん(11)は説明する。

 被爆当時、看護学生として負傷者の救護にあたった元教員唐崎和子さん(75)=三原市=は「多くの子どもたちが参加してくれた。思いやりの心を育て、平和な世の中をみんなで築いてほしい」と目を細めた。

【写真説明】平和への願いの継承を誓い、「教師と子どもの碑」に千羽鶴を手向ける子どもたち


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