被爆の悲惨さ、平和の尊さを語り継ぎます―。平和記念式典で、こども代表の広島市安佐北区の亀山南小六年百合野光哉君(11)と南区の段原小六年河田早紀さん(11)は、被爆者たちの願いを引き継ぎ、「平和への誓い」を読み上げた。
「広島を焼き尽くした核兵器は、いまだに世界に存在しているのです」。正面を見据え、語気を強めた百合野君。世界じゅうで紛争が絶えず、多くの子どもたちが犠牲になっている現実にふれ、「平和の尊さを、世界へ伝えていく努力を続けます」と誓った。
被爆者の祖母(70)は、原爆で両親を失った。今の自分と同い年。祖母はこの五十九年間を、どんな思いで生きてきたのだろう―。こども代表を務めるにあたり、考え続けた。
誓いの冒頭で、河田さんは「原爆の子の像」のモデル、佐々木禎子さんの思いを代弁した。「生きたい、みんなと幸せに暮らしたい」
母明代さん(38)は、長崎県出身。二つの被爆地とつながる自分は、反核の意思を未来へつなぐ使命があると思っている。「紛争が続く国々の人にも、この誓いを聞いてもらいたい」。大役を果たし、言い切った。
【写真説明】「平和への誓い」を力強く読み上げる、こども代表の河田さん(左)と百合野君
    
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