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59年 鎮魂の朝 広島「原爆の日」 '04/8/6

 あの日から五十九年、鎮魂の朝が再び訪れた。広島市は午前八時から中区の平和記念公園で、原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)を営む。原爆の炎に焼かれた犠牲を悼み、被爆地は終日、慰霊の思いに包まれる。

 被爆体験継承誓う

 式典は最初に、秋葉忠利市長と遺族代表二人が、この一年間に新たに亡くなったり、死亡が判別したりした五千百四十二人の名前を記した原爆死没者名簿を原爆慰霊碑に納める。名簿はこれで八十三冊、二十三万七千六十二人となる。遺族や被爆者代表に続き、小泉純一郎首相、河野洋平衆院議長、坂口力厚生労働相らが献花する。

 原爆投下時刻の八時十五分、遺族やこども代表がつく「平和の鐘」に合わせて一分間の黙とう。秋葉市長は平和宣言で、被爆六十周年の来年に向けた一年間を「記憶と行動の年」と位置付け、核兵器廃絶への取り組みと被爆体験の継承を誓う。

 続いて、安佐北区の亀山南小六年百合野光哉君(11)と南区の段原小六年河田早紀さん(11)が、被爆地のこども代表として「平和への誓い」を読み上げる。小泉首相と藤田雄山広島県知事があいさつ。国連の阿部信泰事務次長(軍縮担当)はアナン事務総長のメッセージを代読する。最後に「ひろしま平和の歌」で四十五分間の式を締めくくる。

 猛暑が予想されるため市は参列者に帽子の着用、水筒やペットボトルの持ち込みを呼びかけている。会場で配るパンフレットに金色の折り紙を挟み、鶴を折ってもらう。

 公園の内外にある職域や学校単位などの碑前でも、市の式典の前後に相次ぎ追悼式などがある。

【写真説明】きょう被爆から59年。鎮魂の人の列が原爆慰霊碑へと続く=5日午後8時(撮影・今田豊)


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