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核廃絶、緊急性を確認 パグウォッシュ広島会議 '05/7/25

 広島市で開催中のパグウォッシュ会議の年次総会は二日目の二十四日、中区の広島国際会議場でパネル討論「広島・長崎から60年」を開いた。日本、米国、中国、パキスタンの四カ国の研究者が発言者となり、核兵器廃絶に緊急に取り組む重要性を確認し合った。

 研究者四人が発表した。長崎大医学部原爆後障害医療研究施設(原研)の朝永万左男教授は、被爆者にがんや白血病が多い実態を資料で示し、「後障害の恐怖はいまだに続いている。核兵器廃絶と被爆者の救済を今後も続けていかねばならない」と訴えた。

 米スタンフォード大の国際安全保障・協力センターのリン・イーデン研究副部長は「各国の指導者は原爆資料館や原爆ドームを訪れ、核兵器が招く悲惨を心の深い部分で理解するべきだ」と指摘。核保有国である中国やパキスタン両国の研究者も、緊急に核兵器廃絶へ向けた実践を始める重要性を説いた。

 会場で聞いた科学者からも、核拡散を懸念する声が上がった。「パグウォッシュ会議として原爆展を米国で開いてはどうか」との提案もあった。

 これに先立つ全体会議では、広島市の秋葉忠利市長が講演。五月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に参加した経験に触れ「多くの市民は核兵器廃絶を求めていると再確認した。国際社会は市民の多数意見を考慮すべきだ」と強調し、平和市長会議とともに二〇二〇年までの廃絶に向けて努力を重ねる決意を語った。

【写真説明】核兵器廃絶に緊急に取り組む重要性を確認し合ったパネル討論


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