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核のない世界へ対話 科学者と市民100人 '05/7/25

 パグウォッシュ会議年次総会に参加している科学者と被爆地の市民らが意見を交わす「市民との対話」が二十四日、広島市中区の広島国際会議場であった。市民約三十人を含む約百人が核兵器の廃絶、テロや戦争防止をめぐり話し合った。

 「被爆者は報復ではなく和解の道を選んだ」との科学者側の見解に対し、広島大大学院で平和学を学ぶ谷整二さん(74)=西区=は市民の立場から「被爆者の和解とは、原爆投下を許すことではなく、二度と繰り返されないようにすること。政治と戦争とのかかわりなどを分析し、対立を克服していく必要がある」と発言した。

 核兵器の先制不使用や使用済み核燃料再処理などをめぐる各国の政策の違いも議題となった。モスクワ政治・国際関係研究所のアレクサンドル・ニキチン所長は、東西冷戦期に旧ソ連が過剰生産した核物質の拡散の恐れを引き合いに出しながら、日本が青森県六ケ所村で計画を進める再処理について「危険であり、これ以上すべきでない」と主張した。

 カナダのダグラス・ローチ元軍縮大使は「被爆地から刺激を得て、すべての人が倫理の問題として、核兵器や戦争などの邪悪な手段を放棄するよう訴えなくてはならない」と述べた。

【写真説明】核兵器廃絶の方策などをめぐり意見を交わす科学者や市民たち


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