関連ニュース
「核依存症」脱却の対話を パグウォッシュ広島会議 '05/7/27

 ▽安全保障など討論

 四日目を迎えたパグウォッシュ会議年次総会は二十六日、広島市中区の広島国際会議場で、二つのパネル討論会を開いた。

 「東アジアの地域安全保障」では日本と中国、米国の科学者三人が北朝鮮の核危機を中心に討議した。東京大大学院の藤原帰一教授は「日本の安全保障を米国の核抑止力に頼りたくないなら、東アジアの非核化を真剣に目指すべきだ」と指摘。他の参加者からは「核実験モラトリアムを破った国には経済制裁を加えるなどの規範作りが必要」「東アジアは領土問題や経済格差が複雑に絡む。地域の安全保障は対話で進めよう」などの提言があった。

 「核軍縮・不拡散の将来」をめぐる討論は、六カ国の科学者が討議した。米ハーバード大科学・国際問題センターのスティーブ・ミラー博士は「核保有国の間に、安全保障を核兵器に頼る『核依存症』がある。特に米国に対しては、国際社会が核軍縮を迫る圧力をかけてほしい」と強調。カナダのダグラス・ローチ元軍縮大使は「核拡散は緊急を要する課題だが、真の課題は核保有国の軍縮だ。市民の多くが願う核兵器禁止条約の実現を目指そう」と呼び掛けて締めくくった。

 年次総会は二十七日、同会議のスワミナサン会長の講演や閉会式があり、五日間の会期を終えて閉幕する。

【写真説明】核兵器保有国への働き掛けの重要性を確認した核軍縮・不拡散をめぐるパネル討論会


MenuTopBackNextLast

ホーム