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被爆ピアノ 再生の調べ '05/7/29

 ▽8・6にコンサート

 爆心地から約二キロの広島市千田町(中区)で被爆したピアノが見つかり、調律師の矢川光則さん(53)=安佐南区=が修理している。持ち主だった被爆者の女性(77)から寄贈された。八月六日午前十一時と午後一時の二回、福屋八丁堀本店(中区)で、このピアノを奏でるコンサートがある。

 国産のアップライト型ピアノで、この女性が一九三二年に購入し、原爆投下時は自宅の応接間でガラス片を受けた。数年後に表面を塗装し直したが、六〇年代半ばに一部の音が出なくなった。女性は「一緒に原爆を乗り越えたピアノを捨てられない」と今月中旬に矢川さんに託した。

 表面にはくぼみやすり傷が残り、約半数の鍵盤も動かなかったが、矢川さんが解体修理。変形した部分は加工し直したり、修理不能の部品は交換したりしている。

 矢川さんは大正初期のグランドピアノと三八年製のアップライト型の二台の被爆ピアノを所有し、これで三台目となる。

 八月六日の初コンサートに続き、九日午前十一時と午後一時に福屋広島駅前店(南区)でも開く。いずれも女性ピアニストが弾き、詩の朗読もある。いずれも無料。福屋TEL082(246)6111。

【写真説明】新たに見つかった被爆ピアノを修理する矢川さん


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