核兵器廃絶を目指す「ノーモア ヒロシマ・ナガサキ国際市民会議」が二十九日、東京都新宿区の日本青年館で始まった。三日間の日程で、分科会や市民集会を開催。原爆投下から六十年を機に被爆の実相をあらためて明らかにし、核兵器の犯罪性を問い直す。
国内外から約三百五十人が参加。市民会議を提唱した日本被団協の藤平典代表委員が「核は絶滅のための兵器。被爆六十年のいま裁きを下し、どうすればもう一つのヒロシマ・ナガサキを防ぐことができるか、人類生存への英知を導き出そう」と呼び掛けた。
続いて映像を交えながら、被爆者の証言や、俳優斉藤とも子さんたちの朗読が始まった。「十秒の衝撃」「それから」など、被爆直後から現在までの過酷な体験を通し、六幕構成で原爆被害の全体像に迫った。
「川で女性が顔を洗っていました。信じてくれないかもしれませんが、その女性の体が燃えているんです」「今でも火に追われて逃げる夢を見ます。夜、急に電気がつけられたりすると、あの日のように青い火の玉が走ってとても怖い」―。惨禍に遭い、戦後も心に傷を抱える被爆者の生々しい言葉が会場に響いた。
二日目はさらに被爆の実相解明を進め、「核兵器の犯罪性」をテーマにした全体会、分科会に移る。
【写真説明】被爆証言の朗読を聴く国際市民会議の参加者たち
    
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