関連ニュース
核なき世界へ 平和大通りに「平和の門」 '05/7/31

 広島市中区、平和記念公園南側の平和大通り緑地帯で三十日、十基からなる「平和の門」の完成式があった。門の表面には四十九言語で「平和」の文字が刻まれ、テープカット後、市民ら約二百人が門をくぐった。

 制作したフランスの建築家ジャン・ミシェル・ヴィルモットさんらがテープカットし、市に門を贈呈した。文字を刻んだグラフィックアーティストのクララ・アルテールさんは「平和を希求する普遍的な思いを表現した」と説明した。

 フランスのベルナール・モンフェラン駐日大使は「過去に何があったかを想起させ、未来を見つめさせる」と作品を紹介。秋葉忠利広島市長は「核兵器という悪魔から世界を守る芸術的表現だ」と謝辞を述べた。

 門は一基が高さ九メートル、幅二・六四メートル、奥行き一・六メートル。鉄骨の枠組みを強化ガラスで覆った。表面の「平和」の文字は夜間、ライトで白く浮かび上がる。十基としたのは、イタリアの詩人ダンテの「神曲」に出てくる九つの地獄に被爆を加えたという。

 事業費約三億円は日本とフランスの企業などが出資。市は設置期間について「恒久的ではないが、未定」としている。

【写真説明】完成した「平和の門」をくぐる市民たち(撮影・山本誉)


MenuTopBackNextLast

ホーム