▽29日の反戦ドラマ 呉出身永田さん、制作指揮
原爆ドームの前身である広島県産業奨励館の原寸大セットが一日、横浜市青葉区のTBS緑山スタジオで公開された。広島大、同大学院で建築様式などを研究した同社美術デザイン部の永田周太郎さん(34)=呉市出身=が制作を指揮。大型ドラマ「広島・昭和20年8月6日」(二十九日放送)に登場する。
鉄骨で基礎を造り、表面にベニヤ板を使用。正面と側面の三カ所を再現した。最も高いドーム型の屋根部分は高さ二十五メートルで、建物の幅は四十五メートルに及ぶ。屋根は青銅色に、壁は淡い灰色に仕上げ、当時の威風堂々たる外観を再現した。六月下旬から延べ四千人近くが作業し、約一カ月で屋外に完成させた。
永田さんは、チェコ人の建築家ヤン・レツルが設計した現存図面や、広島大から提供を受けた資料を基に、外観の模様や窓枠、鉄扉など細部まで精巧に造った。永田さんは「広島県人だからここまでこだわれた。反戦の思いを一人でも多くの人に伝えたい」と制作意図を説明している。
ドラマは人気俳優の松たか子さんが主演。二十九日午後九時から、系列局で全国放送される。
【写真説明】原寸大で再現した産業奨励館の前で、制作意図を説明する永田さん
    
|