関連ニュース
継承・目覚め 決意の年 広島平和宣言骨子 '05/8/3

 広島市の秋葉忠利市長は二日、被爆から六十年の節目となる六日の原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)で読み上げる「平和宣言」の骨子を発表した。すべての原爆死没者に哀悼の意を表明。向こう一年を「継承と目覚め、決意の年」と位置付け、核兵器廃絶を願う被爆者の志を受け継いだ決意と行動を世界に促す。国連総会第一委員会(軍縮)に、廃絶に関する特別委員会を設置するよう、初めて提案する。

 秋葉市長は、今年五月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議が失敗に終わったことを指摘。米国などの核兵器保有国や保有を願う国に対し、「力は正義」を前提に「世界の大多数の声を封じ込めている」と強く批判する。戦火が絶えない国際情勢を踏まえ、未来世代の責務として「子どもを殺すなかれ」を人類最優先の公理として確立するよう訴える。

 その上で、今年十月に開かれる国連総会の第一委員会に、核兵器のない世界の実現と維持を検討する特別委員会の設置を提案。二〇二〇年までの核兵器廃絶の実現を目指し、国連総会が二〇一〇年までに具体的なステップを策定するよう働きかける。

 さらに、平和市長会議(会長・秋葉市長)が提唱している「核兵器廃絶のための緊急行動」に基づき、世界の国や非政府組織(NGO)、大多数の市民とともに、廃絶に向けた多様なキャンペーンを展開することを被爆地広島の役割、決意として表明する。

 日本政府に対しては在外被爆者や「黒い雨」地域も含め、高齢化した被爆者の実態に即した温かい援護策の充実を求める。


MenuTopBackNextLast

ホーム