世界各地の市長が加盟する平和市長会議の被爆六十周年記念総会が四日、三日間の日程で広島市中区の広島国際会議場で開幕した。初日は、二〇二〇年までの核兵器廃絶を目指し、具体策を練る諮問機関や、国連でロビー活動を進める拠点の設置などを盛り込んだ今後の活動方針を決めた。
十九カ国八十都市・二団体の百八十四人と、各国政府の在日大使館関係者、非政府組織(NGO)代表者ら総勢二百二十人が参加。市民二百八十人も詰めかけた。
今後の活動内容は、開会式に続く総会で理事会が提案し、拍手で承認された。具体的には、来年六月にカナダ・バンクーバーであるワールド・ピース・フォーラムでの原爆ポスター展を計画。「核兵器の使用は違法」とした国際司法裁判所の勧告的意見から十年になるのを記念し、来年七月にはオランダ・ハーグでも平和集会を開く。
さらに、インターネットを活用した国際的NGOメンバーとのネットワーク「アドバイザリーコミティー」設置や、国連などへの働きかけを強めるための海外活動拠点整備、「広島・長崎講座」などによる加盟都市の若者世代への原爆体験継承なども盛り込んでいる。
核軍縮に取り組む中堅国家構想議長のダグラス・ローチ氏(カナダ)は講演で「核兵器廃絶は知識を持つ市民団体の指導者と、志を同じくする政治家や官僚が活発に協力する結果としてもたらされる」と連携強化を力説。基調講演した前ジュネーブ軍縮大使の猪口邦子上智大教授は「被爆地のローカルノレッジ(地域の知識)を、地球規模の問題解決に動員しよう」と呼び掛けた。
    
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