連合と原水禁国民会議、核禁会議主催の「平和シンポジウムin広島」が五日、広島市中区の県民文化センターであった。約三百五十人が参加し、五月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の失敗を受け、核兵器廃絶に向けて何をすべきかについて、外務省課長を交えて話し合った。
反核市民団体ピースデポ(横浜市)の田巻一彦副代表が、再検討会議の失敗について、新型核兵器開発を進める米国と核兵器製造の可能性を残したいイランなどとの国家利害の対立があったと説明。「(核兵器廃絶への明確な約束を含む)二〇〇〇年の合意は残っている。その意義を共有、広めよう」と呼びかけた。
続いてパネル討論があり、外務省の小笠原一郎軍備管理軍縮課長が「再検討会議の決裂は非常に残念で、力不足を感じた。秋の国連総会で少しでも挽回(ばんかい)したい」と述べ、核軍縮決議案を新しい装いで総会に提案する方針を明らかにした。
今後の課題について、田巻副代表は「非核宣言自治体が形骸(けいがい)化しており、わが街から再び非核の声を上げ、広げていく必要がある。そうすれば国際社会での日本の発言力が増す」と訴えた。
連合の阿部道郎総合組織局長ら主催三団体の代表は、国内世論を盛り上げて政治を動かす必要性を指摘。東北アジアの非核地帯構想推進などの目標に向け、共同行動を続ける意向を示した。
【写真説明】核兵器廃絶に向けた新たな取り組みについて討議した平和シンポジウム
    
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