中国新聞社
2012ヒロシマ
'12/8/6
国境超え願い届け 式典に初めて英仏の大使ら参列

 平和記念式典には71カ国と欧州連合(EU)の代表が参列した。核保有5カ国は中国を除く、米国、ロシア、フランス、英国から出席。ともに3年連続となるフランスと英国は初めて駐日大使が訪れた。核拡散防止条約(NPT)に加盟せず保有するインドとパキスタン、事実上の保有国であるイスラエルからも参列した。

 原爆を落とした米国の政府代表の参列も3年連続。ジョン・ルース駐日大使は式典中、厳しい表情で前を見つめ、午前8時15分に黙とうをささげた。

 終了後、英国のディビッド・ウォレン駐日大使は「悲惨で永続的な原爆の被害が理解できた。英国政府は最低限の抑止力として核兵器を持っている。日本政府とともに核不拡散と核軍縮を進める」と強調。フランスのクリスチャン・マセ駐日大使は「広島で何が起きたのかを理解するには自分自身が来なければとあらためて感じた。核軍縮を強く求めている。他国と意思疎通が図れ、状況が許せば廃絶に向かいたい」と述べた。

 各国代表の参列は原爆投下から65年の節目となった2010年の74カ国に次ぐ規模。アンゴラのジョアン・ミゲル・ヴァヘケニ駐日大使は「孫の世代もヒロシマの歴史を学んでほしい」と、10代の孫2人を連れて臨んだ。(新本恭子、柳岡美緒)

【写真説明】式典に参列する各国代表者たち。核保有5カ国では中国を除く4カ国が出席した=6日午前7時30分(撮影・藤井康正)



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