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【1960年代の3選手】山本 一義(やまもと・かずよし)(71) '10/4/27

 ▽「広島愛」貫いた強打者

 広島商高時代から強打者で鳴らし、進学した法大でも4番で主将を務めた。「戦後、広島が生んだ最強打者」と言われた60年、広島のほか、南海からも破格の契約金で入団を誘われた。

 入団先が注目されたころ、広島県選出の衆院議員で、後に首相となる当時通産大臣の故池田勇人から通産省に呼び出された。「古里を明るくしてほしい」「古里を強くしてほしい」「古里を優勝させてほしい」。2時間説得され、心が揺れた。

 広島の両親に相談するため、東京を離れた。11月14日、特急かもめが着いた広島駅はカープファンであふれていた。事前に帰広日程が広がり、入団を期待する大勢の人が集まったのだ。その光景に感動し、心を決めた。「カープに入ろう」。翌15日、広島市民球場の球団を訪ね、入団の意志を伝えた。南海を下回った契約金は気にもせず、一点の曇りもない広島への愛着だった。

 入団後は徹夜の素振りで打撃を究め、4番打者を務めた。「あの打撃フォームをもう一度見たい」と南区の66歳男性。「美しい」と形容された打撃とその生きざまは、「ミスターカープ」と呼ばれた。

山本一義の生涯打撃成績
所属試合安打本塁打打点盗塁打率
1961広島 89 40 2211.206
62広島 81 35 2120.194
63広島120 9412470.253
64広島11111511441.290( 9)
65広島12911215594.256(20)
66広島12312715702.300( 8)
67広島11913116583.311( 4)
68広島12410917622.256(21)
69広島11511821664.294( 5)
70広島113 9412422.272( 8)
71広島 98 7213410.250
72広島12010317680.282(11)
73広島 91 63 9261.275
74広島 90 68 7212.287
75広島 71 27 2180.209
通算1594130817165522.270
かっこ数字は打撃・投手順位

【写真説明】レリーフ・山本一義



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