「人の記憶に残る選手になりたいと言っていた。夢がかなったかな」。故津田恒美さんの妻晃代さんは、初めて訪れたマツダスタジアムのマウンド脇で笑顔を見せた。
旧広島市民球場から数え、10年ぶりの球場。除幕式前には球団スタッフの案内でベンチ裏などを見学した。一塁側ブルペン脇の「津田プレート」では、選手が登板前に触れると説明を受けた。雄姿をたたえる写真を飾ったスポーツバーでは、お客と記念撮影も。「選手にもファンにも思い出してもらえて、ありがたい」
早すぎる死から17年。「何に対しても一生懸命。けなげでかわいかった」とほほ笑む。「いろんなことを思い出すから」と広島になかなか足が向かなかったという。「もう大丈夫かなと思ったんだけど…」と目を潤ませた。(松本大典)
【写真説明】「津田プレート」にそっと手を添える津田さん
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