ヨーロッパ

ゲルニカ平和博物館(スペイン)

(08年4月24日)

◆館長 イラッツェ・モモイティオ

 スペインのバスク地方にある街ゲルニカ・ルモ市は、1937年4月、内戦の最中に、フランコ将軍を支持したナチス・ドイツ軍による空爆を受けました。2002年、ゲルニカ・ルモなど地元行政機関は連携し、スペインで初めての平和博物館を開設しました。

 資料を展示するより、人々の感覚や心に働きかけることを主な目的にしています。戦争の語り部を目指すのではなく、人々が平和を信じ、求め、守り、向き合うことを手助けしている博物館です。

 展示は「平和とは」「ゲルニカの空爆の遺産とは」「現在の世界における平和とは」という三つの質問に基づいて構成しています。ピカソが描いた「ゲルニカ」の絵をモチーフにしたプリズムを使い、世界平和の現状を学び取る空間もあります。

 視聴覚コーナーでは、当時の家を再現してゲルニカの空爆を追体験できます。「ヒロシマ・ナガサキ」や「芸術と人権」などの企画展も実施。家族連れを対象にしたワークショップを提供するなど、平和文化の推進に取り組んでいます。

住所 Foru Plaza 1, 48300 Gernika-Lumo, Bizkaia Basque Country, Spain
電話 +34-94-627-02-13
ホームページ http://www.peacemuseumguernica.org
休館日 毎週月曜日と1月1、5、6日、5月1日、11月1日、12月24、25日
入館料 大人 4ユーロ(643円)、学生・高齢者・未就労者 2ユーロ、13歳未満は無料

(2008年4月7日朝刊掲載)

※写真はクリックすると大きくなります。  


子どもや若者を対象にした平和教育にも力を入れている


ゲルニカ平和博物館の外観


ピカソが描いた「ゲルニカ」の絵をモチーフにしたプリズム