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被爆前→直後→現在、写真で比較 建物が語る原爆の惨状 '08/7/17

 ▽24日から広島の資料館

 六十三年前の惨劇を今に伝える建物を紹介する企画展「被爆建造物は語る」が二十四日から、広島市中区の原爆資料館東館で始まる。「被爆前」「直後」「現在」を写真で比較。その場で被爆した人の遺品なども添え、被害の大きさを浮き彫りにする。無料。十二月十五日まで。

 資料館の主催で、市が被爆建造物として確認している建物や樹木、橋の計百五十二件を一覧で紹介。このうち、広島逓信病院(中区東白島町)や旧帝国銀行広島支店(中区本通、現広島アンデルセン)などの二十一件については写真パネル計三十一点を使って被爆前の営み、原爆被害の大きさ、そして復興した姿を解説する。

 写真には、被爆者がその場所を描いた原爆の絵や手記、被爆資料など計三十四点も並べる。物的・人的の両方の被害から何が起きたかを伝え、核兵器廃絶に向けた機運の醸成につなげる。資料館は「周囲の風景が様変わりしても、黙ってヒロシマを伝える建造物から、あの日に思いをめぐらせてほしい」と呼び掛けている。

 期間中、市内の被爆建物をめぐるスタンプラリーを開く。二十一日には市交通科学館(安佐南区)で展示されている被爆電車の見学会なども開かれる。(森田裕美)


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